
「パキパキパキ」っと音が鳴ったのは、僕が26歳の夏。8月20日・午前11時過ぎ。
もう少しで昼休みのサイレンが鳴り、お昼ご飯!!と思った瞬間、
工場の機械に僕の左腕が巻き込まれました。
100gのパスタの束にゆっくり力を加えて折っていくような感じで、「パキパキパキ」っと鳴りました。
そのあと一回転して捻れた手のひらに2トンの機械がグシャリ。
そこで機械はストップし、救出作業開始。油圧ジャッキというやつで、僕の左腕を挟んでいる2トンの重荷を上げてもらっていたのですが、その油圧ジャッキが滑って、もう一回2トンが「ドーン」で「グシャリ」となりました。
その時、肘から向こうは機械の中で見えなくなっていて、僕の心臓は「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」の「マジック・ジョンソン」よりも速めの16ビートを刻んでいたので、「これは『グシャリ』の瞬間に、手首ごと飛んだんちゃうやろか?」
「手首ごと飛んだんなら、出血多量で死ぬんかな?」
と思いました。
初めてギターコードの「F」をキレ〜イに弾けた時の喜びは何だったのか
受験勉強中にマーシャルの家庭用ギターアンプを勉強机の上に置いて、近所迷惑かえりみず爆音でギターを弾きまくった日々は何だったのか
思い出として残っても左手がなくなったら、もうギターが弾けへんやんか
大好きなギター!
人生で一番夢中になれたのに!何で途中でやめたんや!!
死にたくない!死にたくない!
挟まれてから10分。
油圧ジャッキの活躍あって、見事救出された僕の左手首から先には「ボロぞうきん」みたいなのがついてました。
「手」です。出血もひどくない。
「とりあえず、死なんで済みそう」